オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーとはオルソケラトロジー(Orthokeratology)とは、夜に装着することで、角膜の中央部を平たくさせ、近視を改善させるコンタクトレンズです。「角膜矯正用コンタクトレンズ」であり、一般的なコンタクトレンズとして用いられる「視力補正用コンタクトレンズ」ではありません。角膜の形状を変化させる治療法ですので、眼科で取り扱われています。また、レンズの費用や診察代などは、自由診療の扱いとなります。
日中にレンズを装着する必要がないので、昼間は裸眼で過ごすことが可能です。


オルソケラトロジーと
通常のコンタクトレンズ、
眼鏡、レーシックの違い

コンタクトレンズや眼鏡との違い

コンタクトレンズや眼鏡は、視力を補正するために日中に使用する必要があります。一方、オルソケラトロジーの場合は、日中を裸眼で過ごせるように夜間に装着し、視力を矯正させていきます。

レーシックとの違い

レーシックを一度でも受けると、角膜の形状を元に戻すことはできません。
オルソケラトロジーは、手術ではなくレンズを装着する方法ですので、角膜の形状を後から戻すことも可能です。もし治療が合わなかったり視力が変化したりした場合でも、別の治療法に変更できます。


オルソケラトロジーの
メリット・デメリット

オルソケラトロジーのメリット

  • 日中は裸眼で過ごせるので、スポーツや修学旅行などのイベント時に、眼鏡やコンタクトレンズの煩わしさを感じることがなくなります。
  • コンタクトレンズについて理解できるようになる、小学3年生くらいから治療が開始できます。
  • 費用面でも、一般的なソフトコンタクトレンズと比べて高くありません。当院では、初回費用は片目16,000円(税込)、両目32,000円(税込)で月額料金は7,000円となっています。詳しくはご相談ください。

オルソケラトロジーのデメリット

  • 検査の結果によっては、オルソケラトロジーが適応できない場合があります。
  • 特に幼い子どもの場合は、保護者の方がコンタクトレンズの管理や手入れを行うことが多くなります(コンタクトレンズは毎日洗浄する必要があり、2週間に1度はタンパク除去剤を使って洗わなくてはなりません)。
  • ハードコンタクトレンズですので、2~3年に1度は交換する必要があります(交換費用片眼:16,000円(税込)、両眼32,000(税込))
  • オルソケラトロジーを始めた後、初めの1週間後・2週間後・1ヶ月後には診察を受けていただきます。それ以降は3ヶ月ごとに診察を受けていただきます(診察費用は月額費用に含まれます)。

オルソケラトロジーに適応していない方

  • レーシックなどの屈折矯正手術を受けた方
  • 重症のドライアイを抱えている方
  • レンズのケアを続けるのが難しい方
  • 円錐角膜の方
  • 妊娠中または授乳中の方

オルソケラトロジーの副作用・主な治療リスク

オルソケラトロジーの主な副作用

※装用初期〜適応過程で見られることが多いです

  • 異物感・ゴロゴロ感
    →就寝時装用に慣れるまで違和感を覚えることがあります。多くは数日〜数週間で軽減します。
  • 軽度の角膜上皮障害
    →レンズの圧迫や乾燥による微細な傷が生じることもあります。点眼治療や一時中止で改善することが多いです。
  • かすみ・見え方の不安定さ
    →角膜形状の戻りの影響で朝の視力は良好でも、夕方に低下するケースがあります。
  • ハロー・グレア(光のにじみ)
    →特に瞳孔が大きい方に多いのですが、夜間の光がにじんで見える現象が生じることもあります。
  • 乾燥感・充血
    →涙液環境やレンズケア不十分だと生じます。
  • 軽度の角膜浮腫
    →酸素透過不足や長時間装用で発生します。通常は可逆的です。

オルソケラトロジー治療に伴う主なリスク

  • 角膜感染症(微生物性角膜炎)
    →細菌やアカントアメーバなどが最大のリスクとなります。重症化すると角膜混濁や視力低下の可能性もあります。
  • 角膜びらん・潰瘍
    →上皮障害が進行した状態で、痛み・充血・視力低下を伴います。
  • 角膜形状の過矯正/不正乱視
    →フィッティング不良や装用管理の問題で起こります。
  • 角膜中央の染色
    →圧迫による上皮変化です。多くは可逆的です。
  • レンズ固着(タイトレンズ症候群)
    →乾燥や装用時間過多によるものです。
  • アレルギー性結膜炎の悪化
    →レンズ装用により炎症が誘発されることがあります。
  • 角膜内皮への慢性的負担
    →長期使用での影響が生じることもありますが、適切な管理で重大障害は稀です。
  • 視力矯正効果の個人差・不十分な効果
    →角膜特性や近視度数によるものです。

小児で特に注意すべき点

  • オルソケラトロジーは近視進行抑制目的で小児に使用されることが多く、自己管理能力の不足がリスク増大因子になります。
  • 手洗い・レンズケア不十分のために感染症リスクが上昇することもあります。
  • 違和感の訴えが遅れることで、重症化の可能性が高まります。

オルソケラトロジーの流れ

1医師による説明

必要に応じて視力検査などを受けていただくこともあります。

2適応検査

適応検査後、オルソケラトロジーに適していると判断された場合は、テスト用のレンズを30分前後装着していただきます。検査には時間がかかることがありますので、ご来院の際は余裕をもってお越しください。

※適応検査は完全予約制
※検査代として5,000円かかります。

3レンズの発注

小児眼科について16時までにレンズを注文していただいた場合は、最短で翌々日に到着されます(土・日・祝日・休診日を除く)。
なお、発送状況は天候や交通状況によって変動することもあります。

4レンズの取り扱い指導

レンズが届きましたら、スタッフからレンズの使用・管理方法・注意事項などについての指導を受けていただきます。

5定期検査

治療開始後は、1週間後・2週間後・1か月後に診察を受けていただきます。それ以降は3か月ごとに診察を受けていただきます。
※診察費用は月額費用に含まれています。


低濃度アトロピン

「低濃度アトロピン」とは、近視の進行を遅らせるために使われる点眼薬です。毎晩寝る前に1回、目にさしていきます。
オルソケラトロジーのレンズと一緒に使うと、より効率よく、近視をコントロールすることができます。
ただし、低濃度アトロピンは、視力を回復させる点眼薬ではありません。あくまで、近視の予防や管理のための治療法として考えていただければと思います。

低濃度アトロピンの副作用・主な治療リスク

主な副作用(比較的起こりやすいもの)

  • まぶしさ(羞明)
    → 瞳孔がわずかに拡大することで光が入りやすくなります。
  • 近見のピントが合いにくい
    → 調節機能への軽い影響が生じます。読書やタブレット使用時に違和感を訴えることがあります。ただし、通常は日常生活に大きな支障は少ないです。
  • 軽度のかすみ目
    → 点眼直後に一時的に見えにくくなることがあります。
  • 眼の刺激感・しみる感じ
    → 保存料や薬剤成分による一過性の刺激が生じることがあります。
  • 軽度の充血
    → 表面刺激や血管拡張によるものです。

治療に伴う主なリスク

  • 過度な散瞳・調節麻痺
    → 感受性が高い場合、想定以上にピント調節が弱くなることがあります。
  • アレルギー反応(接触性結膜炎・眼瞼炎)
    → かゆみ、腫れ、充血などが生じることがあります。使用中止で改善することが多いです。
  • 全身性副作用(極めて稀)
    → 動悸、口渇、顔面紅潮などの抗コリン作用が生じることもあります。通常の低濃度ではほぼ見られませんが、体質や誤使用で起こります。
  • 効果の個人差
    → 近視進行抑制の反応には幅があります。十分な抑制が得られないケースもあります。
  • 長期安全性の不確実性
    → 現時点で安全性データは良好ですが、数十年単位の影響は研究継続中です。
  • 中止後のリバウンド(進行再加速)
    → 治療終了時に近視進行が一時的に強まる可能性が報告されています。
  • 使用管理の問題
    → 点眼忘れ、不適切な保管、衛生不良による品質低下が生じることもあります。

小児治療で特に重要な観点

  • 自覚症状を正確に伝えられないことがあるので、保護者の方に点眼管理含めて対応していただく必要があります。

低濃度アトロピンの費用(税込)

低濃度アトロピン
1ヶ月分(5ml)
500円

※院内で調剤するため、処方を希望される方は事前にご連絡ください。


オルソケラトロジーの費用(税込)

初期費用 片眼 16,000円+3,500円(1か月の月額費用)
両眼 32,000円+7,000円(1か月の月額費用)
※治療開始時(初期)に1か月分の月額費用も頂戴しております。
月額費用 片眼 3,500円
両眼 7,000円
レンズ交換費用 片眼 16,000円
両眼 32,000円

※レンズの交換は2~3年に1度必要となります。
※オルソケラトロジーを始めた後、初めの1週間後・2週間後・1ヶ月後には診察を受けていただきます。それ以降は3ヶ月ごとに診察を受けていただきます(診察費用は月額費用に含まれます)。
※上記と別に、適応検査が必要となります。適応検査は完全予約制で5,000円となります。

※低濃度アトロピンを併用される場合、1ヶ月分(5ml)500円となります。


オルソケラトロジーの
よくある質問

レンズは何時間装着しないといけないのですか?

人によって違いますが、毎日最低6時間ぐらいを目安につけてください。

レンズをつける時、痛みはありませんか?

痛みはほとんどありませんが、初めはレンズに慣れるまで、目に違和感やゴロゴロ感を感じることがあります。しばらくすると、目がレンズに慣れて気にならなくなります。

どのくらいで効果が出ますか? また、誰にでも効果が出るのですか?

効果の出方は個人差がありますが、早い方ですとレンズをつけた数時間後から翌日に、視力が良くなる方もいらっしゃいます。 初めのうちは夕方になると視力が下がることもありますが、毎日レンズをつけていくことにより1週間~2週間のうちに視力が安定していきます。 ただし、中にはオルソケラトロジーで視力が良くならない方もいらっしゃいます。そのため開始する前に適性検査を受けていただいております。